常温アーク溶射技術


減圧内アーク溶射とは

別紙資料のように、ア-ク溶射は、後方から噴射される高圧高速気流中(7〓8Kg/cm2流速 250m/秒)にて、ブラス、及びマイナス電極化された金属ワイヤ-2本がア-ク熔融され、微粒化、及び高速飛行による皮膜形成を実施する。
この為、強制熔融させる必要があり、金属融点の4倍以上の入熱が要求され、ア-ク温度は2500〓6500℃範囲に、使用金属、及び線径に応じて高温となる。

結果として、  (1)金属のベ-パ-量(金属蒸気)が大きい
(2)皮膜が高温となり、累積集積歪みが発生する。
ゆえに、ブラスト粗面から剥離しやすい
(3)酸化量が増大する。


例えば、アルミ,及び亜鉛の複合溶射を実施すれば、アルミ(融点660℃)の熔融条件を設定しなければならず、2600〓3600℃のア-ク熱条件が必要であり、亜鉛(融点420℃) の殆どが金属蒸気化し、使用に耐えるものではない。

(A)図
図表A


新規溶射法、減圧内ア-ク溶射は、(A)図のように、ア-ク周辺から円錐状に高圧高速 気流が噴射され、2本の溶線がア-ク熔融するポイントが、エジェクタ-現象にて真空 化されるが、10-3以上にすると、熔融金属は吸引される為、実際には0.8Kg前後の減圧 層に制御し、各種金属が融点の2倍範囲にて熔融可能としたものです。

使用電源も、40KHz高周波電源を使用し、ワイヤ-の先端部のみを高速熔融させ金属がオ-バ-ヒ-トしない状態に設計しております。

結果として、  1)金属が融点の2倍範囲で熔融可能な為、融点の異なるAL,Znを同時に熔融しても金属蒸気の発生が微小で良好な皮膜が形成される。
(2)噴射エア-は、ア-ク熱にて温度上昇せず、熔融金属粒子を急冷却でき、凝固をずらせて皮膜が形成でき、過冷却低温皮膜となる。過冷却現象(熔融粒子を急冷却しても一時的に液相を保つ現象)


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